007 個性ある社員

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経営コラム SOLID AS FAITH 第7号
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第7号をお届けします。

 第6号を発行後、二種類のご指摘を読者の方から頂戴しました。一つ目は、
第6号の内容が分かりにくいというもので、特にその第4段落が分かりにくい
というご指摘もありました。何人かの知り合いをテスト読者として感想を求め
たところ、大筋は理解してもらえているようでしたので、特に今回は改訂号を
出しませんが、今後はより分かりやすい文章を提供できるよう注意致します。
ご指摘ありがとうございました。

 今後とも、ご質問などには個別に対応すると同時に、場合によっては、改訂
号などの発行により、他の読者の方にも、より分かりやすい文章をお読みいた
だくつもりでおります。

 お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、もう一つのご指摘は一行の文字数
についてです。ノート型などのマシンでは行がおり返してしまうとのご指摘で
した。今号以降、一行35文字と致します。今までご不便をお感じになっていら
っしゃった方にはお詫び申し上げます。

 それでは、今後とも、SOLID AS FAITH にご愛読を賜りますようお願い申し
上げます。
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その7:個性ある社員

 子供の頃、「名も無く、貧しく、美しく」という番組が好きで見ていた。聾
唖者夫婦の物語である。その中で、印象に残っている場面がある。聾唖者夫婦
の子供が成長して、結婚しようとしたとき、結婚相手の父親が、夫婦を呼び出
し、話を御破算にしようとする。

 聾唖者夫婦の子供は健常者である。この両親の障害は、後天的なものであっ
たと記憶する。それを知っていて、結婚に反対するのは単なる世間体、偏見ゆ
えのことである。(仮に、先天的なものでも、それを踏まえた当事者の判断を
私なら尊重するが…)しつこくなじってくる父親に、主人公の夫婦も堪忍袋の
緒が切れて、相手の眼鏡を払い落とし、「眼鏡が必要なのは障害ではないのか」
と迫るのだ。

 雇用促進の施策を意識しようと、しまいとも、肉体的障害のある社員を雇う
経営者は、一様に、「できることに特化した仕事を与えれば、優秀な戦力にな
ってくれますよ」と障害のある社員を高く評価する。その言葉に嘘偽りは感じ
られない。そのくせ、採用は十把一絡げのテストや場当たり的面接で決めたり
する。「営業マンはまず頭数を揃えないと…」などとも口走る。

 短気で僭越な私は上司や同僚を辟易させることがある。聾唖者が、「耳や口
が不自由な人」なら、私は勤め先にとって「性格が不自由で、言語表現が不適
切な人」であるかもしれない。

 いっそ、障害と個性をごっちゃにしたらどうかと思うことがある。短気なの
は「忍耐力が不自由な人」、段取りが悪いのは「計画性が不自由な人」と…。
ありとあらゆる障害を持つ社員が、できることに特化した仕事を与えられたら、
「優秀な社員」で溢れる会社は簡単にできるのではないか。

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発行 MSIグループ(担当:市川)
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